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電気通信大学
大学院情報理工学研究科、情報理工学域
基盤理工学専攻、Ⅲ類(理工系)
教授
奥野 剛史
オクノ ツヨシ
Tsuyoshi Okuno
1967年生まれ
Tel.042-443-5460
Fax.042-443-5501
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経歴
筑波大学 物理学系 助手 1995/04-2001/07
筑波大学 物理学系 講師 2001/08-2004/03
電気通信大学 電気通信学部 助教授、准教授 2004/04-2015/03
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学歴
東京大学 理学部 物理学科 1990/03 卒業
東京大学 理学系研究科 物理学専攻 修士 1992/03 修了
東京大学 理学系研究科 物理学専攻 博士 1995/03 修了
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学位
博士(理学) 東京大学 1995/03
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研究概要
新規ナノ光材料や半導体微細構造における光物性実験を専門としています。 量子ドットやナノワイヤ等の量子閉じ込め構造の光学的性質、および、 それらと発光中心との相互作用を明らかにするための研究を行っています。 大きさがナノメートル(10^{-9} m)領域になった半導体微細構造では、 その中の電子のもつ波としての性質が顕著になってきます。 そのため、発光する色や応答速度等が、通常の大きさの半導体とは変わってきて、 自由に制御できる可能性がでてきます。また、そこに蛍光イオンを導入することにより、 通常とは異なる強度や色で発光させることができます。 このような新規ナノ光材料を創出し、その構造や発光メカニズムを解明しようとしています。 低消費エネルギーに資しかつ環境に調和した新物質および新現象を探索しています。
これまでの研究において得た結果の例を記します。
現在実用化されている半導体発光材料のほとんどは化合物半導体で、 シリコン(ケイ素,Si)を用いた発光材料が求められています。そこで、 シリコン硫化物という新たな材料系に注目して研究を行っています。 反応性の高い硫化物を用いることにより、シリコン基板上に比較的低温で 成長させることが可能です。将来のシリコン集積回路上での光電子融合デバイスにも つながる期待があります。バリウムチオシリケートやカルシウムチオシリケートといった物質をシリコン基板上に形成することに成功しました。物質を選ぶことによって、緑色、黄色、および赤色の発光スペクトルを得ました。効率は最大52%まで向上しています。
電子デバイスを形成しているシリコンをナノメートルという極小の大きさにすることにより、 低消費電力の新しい光電子素子を作り出すことに期待が集まっています。無電解銀析出法という シリコンの表面エッチング(腐食)を用いることにより、赤色発光するシリコンナノワイヤ(棒状シリコン)を作り出すことに成功しました。直径は0.1マイクロメートル、長さは 100マイクロメートル程度で、シリコン基板上に垂直に立って密に形成されています。ワイヤの 側面から顕微鏡下で発光を観測することにより、ワイヤの先端において発光が強くなっている ことがわかりました。シリコンと、その表面を覆っている酸化シリコンとの界面が発光原因となっていることを示唆しています。
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学内担当授業科目
2020 基礎科学実験A 前期 学部(昼間)
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現在の専門分野
応用物性
無機材料・物性
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研究キーワード
光物性実験、蛍光体科学
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現在の研究課題
半導体微細構造の光物性、新規蛍光体材料の開発 半導体微粒子、蛍光体 1995-現在
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論文
一般論文 有 Red persistent luminescence excited by visible light in CaS:Eu2+,Tm3+ 共著 Yuki Tamura, Tsuyoshi Okuno, Yoriko Suda and Yasushi Nanai J. Phys. D: Appl. Phys. 53/ 15, 155101(7pp)- 2020/02/04
10.1088/1361-6463/ab6d1c
一般論文 無 シリコン上に膜形成可能なシリコン硫化物蛍光体の研究 共著 中村裕貴、青野瑞樹、奥野剛史、七井靖 映像情報メディア学会技術報告 ITE Technical Report 44/ 1, 33-36 2020/01 1342-6893
一般論文 無 低速電子線励起用新規橙赤色硫化物蛍光体の開発 共著 奥野剛史、中川康弘、志村佳煕、七井靖、佐藤義孝、御園生敏行 信学技報 IEICE Technical Report EID2018-12(2019-01), 89-82 2019/01
一般論文 有 ブレッドボードを用いた光通信実験の回路工作授業 共著 奥野剛史、菅野敦史 物理教育 66/ 3, 184-187 2018/09 0385-6992
一般論文 有 Broad luminescence of Ce3+ in multiple sites in (La,Ce,Y)6Si4S17 共著 Yasushi Nanai, Hayato Kamioka and Tsuyoshi Okuno J. Phys. D: Appl. Phys. 51/ 13, 135103(8pp)- 2018/04/04
10.1088/1361-6463/aaaf5e
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研究発表
学会口頭発表 可視光励起可能な赤色残光蛍光体CaS:Eu2+,Tm3+の発光特性 応用物理学会(2020春) 上智大学四谷キャンパス、千代田区(東京都)2020年第67回応用物理学会春季学術講演会 無 田村祐樹、奥野剛史、須田順子、七井靖 2020/03/13
学会口頭発表 青色励起赤色発光リン酸塩蛍光体の発光および残光特性 応用物理学会(2020春) 上智大学四谷キャンパス、千代田区(東京都)2020年第67回応用物理学会春季学術講演会 無 志村佳熙、奥野剛史、久島大輝 2020/03/13
学会口頭発表 希土類フリー蛍光体Zn3(PO4)2:Mn2+,Si4+とZn3(PO4)2:Mn2+,Ga3+の評価 応用物理学会(2020春) 上智大学四谷キャンパス、千代田区(東京都)2020年第67回応用物理学会春季学術講演会 無 富田 一光、奥野 剛史 2020/03/13
学会口頭発表 シリコン上に膜形成可能なシリコン硫化物蛍光体の研究 映像情報メディア学会 発光型/非発光型ディスプレイ合同研究会 鳥取大学 鳥取キャンパス 鳥取市(鳥取県) 2020年1月23日-24日 (発表は23日) ITE Technical Report vol44,no1 IDY2020-10(Jan.2020) pp.33-36 IDY2020-10(Jan.2020),vol44,no1 無 中村裕貴、青野瑞樹、奥野剛史、七井靖 2020/01/23
学会口頭発表 Zn3(PO4)2:Mn2+,Ga3+ の熱蛍光特性と燐光減衰曲線の評価 応用物理学会(2019春) 東京工業大学大岡山キャンパス、目黒区(東京都)2019年第66回応用物理学会春季学術講演会 無 富田 一光、奥野 剛史 2019/03/12
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知的財産権
特許 発光素子とその製造方法、並びにErSi2ナノワイヤーとその製造方法 特願2007-142044 2007/05/29 出願
特許 半導体素子 特願2004-249408 2004/08/30 特許公開2006-065133 公開
特許 蛍光体、その製造方法及び発光装置 特願2012-272083 2012/12/13 特開2014-118421 2014/06/30 6099126 2017/03/03 登録
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所属学協会
応用物理学会 1997/01-現在
日本物理学会 1991/01-現在
蛍光体同学会 2012/05-現在
日本物理教育学会 2010/10-現在
照明学会 2017/03/17-現在
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学内委員会等
3大学(電通大、農工大、東外大)連携事業協働共通教育作業部会 委員 2016/04-現在
社会連携センター運営委員会委員 委員 2013/04-現在
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